話好きと聞くと、プラス面をイメージされることが多い。
人間関係を上手に築ける、営業や販売職に向いている、コミュニケーションスキルが高いといった判断をされがちだ。
一方で無口な人に対するイメージは散々である。
人と上手く付き合えない、一人で黙々とするような仕事しかできない、コミュニケーションが下手。会話量が少ないだけで、コミュニケーション不足のレッテルを張られてしまう。
けれども、本当にそうなのだろうか?
話し好きは、本当にコミュニケーション力が高いのか
僕は決して上記の通りだとは思えない。
というのも、話好きの人間ほど自分の考えだけをやみくもに話がちであり、話の展開などを意識せずに、話し続けることが多いと感じているからだ。
これは別にコミュニケーションの優劣ではない。
時と場合により、適切なコミュニケーションは変わる。
今回お話しする、”報告”においては、話好きな人ほど注意した方がいいと思っている。
”報告”に必要とされるのは、客観的な事実
話し好きの部下からの報告には、余分な脚色が潜んでいる可能性がある。つまり、結論を端的に表現する能力に欠けている。
恐らく結論に辿りつくまでに、「伝えなければ!」という箇所を整理することが出来ないのだろう。最初から最後まで話すことを、報告だと思っているのかもしれない。
報告というのは、”相手に伝えた”という自己満足で完結してはならない。
伝えたコトを相手が理解して初めて、”伝えた”となる。そのため、「相手にどうすれば伝わるか」を考える必要があるのです。
だらだらとした説明に対して、「これであってる?」という質問を繰り返さなければならない。何度聞いても、的をえた返答が得られない。
相手の知りたい答えではなく、自分の話したいことを優先してしまうと、すれ違いが起こってしまうのです。
報告を受ける際、相手がどのようなタイプかが分かると、
対策がしやすいです。
「なぜ出来ないんだ」とイライラすることも減るだろう。
では、話好きな人の報告にはどんな特徴があるのだろうか?
話し好きな人間の特徴
まとめると、以下の2つだろう。
- 話しが主観的である
- 話しが回りくどい
まず1点目。話が主観的であること。
主観に基づいてなされる報告が、必ずしも悪いわけではない。時には自分のなりの見解を述べる必要がある。
けれども、報告で最も大切なのは”客観的な事実”である。
例えば、商品の納期遅れが発生したとする。
この際、最も知りたいのは、現在どのような状況になっているかであり、どのような対処を今後施すかである。
報告するのであれば、具体的な事実を報告する必要があって、”何日遅れているか”、”顧客はこの状況に対してどのように感じているか”、”どんな対処法があるか”が最も重要な要素となる。
にも関わらず、主観的に話してしまう人は事実を伝えることよりも、自分の想いを優先してしまう。
”このような状況はまずいと思います”
”私はまったく知りませんでした”
”どうしたらいいかわからないです”
いずれにしてもこれらの発言からは、現在の状況を読み取ることが出来ない。聞き手としては、欲しい情報に辿りつくまでに何度も質問しなければならないので、余計なストレスを感じさせてしまう。
2点目は、話が回りクドイということ。
結果から報告するのではなく、余分な枝葉ばかりを重視してしまう。
例えば「商談に失敗した」としよう。
この場合、聞き手として一番知りたいのは、成功か失敗かという事実である。
それなのに、話が回りクドイ人は、「取引先の方が怖そうな人で…」、「話が盛り上がってこんな話をしたんですよ…」といった、枝葉の部分が先にくる。
雑談であれば問題ないのだけれど、これでは講演会である。まるでエピソードトークの独演会を聞いているかのようだ。
最後に
話し方については、時と場合によって使分ける必要がある。
雑談であれば、脈絡もない会話が大切だし、
報告であれば、結果と客観的な事実を伝えることが大切だ。
つまり、”相手が求めているもの”をいかに提供できるかに尽きる。
これこそがコミュニケーション力なのだと思う。
自分の意志と相手の意志。お互いの意志が絡まり合って、初めて意思疎通が図れるのだから。