どんなに小さな約束事であれ、毎日コツコツと守り続けるのは簡単ではありません。
誰にも監視される事なく、誰にも称賛される事なくそれらを守り続けるためには、”自分が自分に課した義務“ではなく、”約束“だと感じている必要があるのだと思います。
義務じゃないからこそ拘束力はなく、辛いとも感じないし、約束を果たし続ける事が次第に満足感に繋がっていくのではないでしょうか。
この記事では、「約束を積み重ねることが成功への近道である」ことをお伝えします。
ただ「約束を守り続ける」
「ほぼ日」で大坊珈琲店が特集されており、オープン時に配られたチラシが公開されていました。
その中で、印象に残った部分がありましたので、ご紹介したいと思います。
山下:ここでも約束をしてるんですよ。
「大坊珈琲店は年中無休です」って。
糸井:うーん・・・なんて言うんだろうな、一生懸命しか売り物にならないからね、若い時期は。
誰だってそうじゃないですか。
土下座するのは嫌じゃない?
だから静かに約束をして静かに守るっていうのは、なんか・・・うん、いい。
若い人が取る方法として、ぼくは賛成ですね。
たいへんなことなんだよ、守るって。
大坊さんはあの店を、自分の居場所にしようと本気で思ってたんだよね。
若者が先達より、精神的にも技術的にも劣るのは、ある種当然の事のように思います。
最近では、若者たちの活躍が目立つけれど、そんな人たちはホンの一部に過ぎません。
圧倒的な経験を持つ先輩たちに若者が勝とうとすれば、それ相応の時間をかけて、成熟するのを待たなければならない事もあります。
けれども、淡々と「約束を守り続ける」事は若者にだって出来るのです。
他者と比較することなく、ただ淡々と決めた事を継続し、守り続ける事は、経験のない若者にでも出来ます。
誰にでも出来るからこそ、「凄い!」という称賛を回りから得られないからこそ、モチベーションを保つのは難しいです。
ただし、そこには技術もいらなければ、経験だって必要がありません。
張りぼての自信は、積み重ねる事で「本物」になる
確かにまだ確固とした自信が得られていない、若い頃に決めたものなんて簡単にブレてしまいます。
周囲からの何気ない一言で、張りぼての自信はいとも簡単に崩れ去ってしまいます。
だからこそ、そんな声に惑わされる事なく、「約束を守る」「淡々と継続」できた人だけが、将来ゆるぎない能力や経験を積み重ねていくのではないかと思うのです。
他者に自分の「約束」を強要しない
こうした心がけは、とても大切なものだとは思うのだけれど、1点だけ注意が必要です。
それは、「他人にまで自分の約束を強要しない」ということです。
「約束を守る」ことに意義を見出している人ほど、他者にも自分の考えを押し付けてしまうのかもしれません。
あくまで、自分が決めた約束は自分のものであって、他者とは切り離して考えた方が良いかと思います。
もし切り離せないようであれば、その約束は自分を苦しめ、毎日を退屈にしている、実りのない約束である可能性があります。
“辛さ”と”楽しさ”の両方が必要なのかもしれない
僕自身もまさにそうでした。
目標のために、毎日やるべき事を定め、ただ淡々と継続する。
本来であれば、登山の”道中の険しさからくる辛さ”と”目的に向かっている達成感“の両者が得られるはずなのに、目の前には苦しさしか広がっていませんでした。
ただ、現在を未来の目的のためにすり減らし続ける日々。
そんな退屈な毎日を過ごしている内に、不満が溜り、他者の価値観を認められなくなっていきました。
自分の過ちを認めたら、今までの努力が水の泡になるような気がしたんです。
その努力を不意にしない方法、それが自分の行っていたことは正しい事であり、他者も自分と同じ事をするべきだという、価値観の強要に繋がっていったんですね。
他者を判断するときに重要なのは、相手の価値観に寄り添うことです。
相手の考えを認め、感謝の気持ちを伝えた上で、静かにそっと見守るように支援する。
自分の想いを相手に押し付けたくなった時にこそ、思い出して欲しいと思いますね。
最後に
変化に気付くためには、「ルーティンを続ける」ことがオススメです。
“スティーブ・ジョブズ”は、毎日同じ色のシャツを着ていましたし、イチローは毎日カレーを食べているそうです。
彼らがなぜルーティンを繰り返すのかというと、「小さな変化を感じるため」なのですね。
- 今日は昨日より、着心地がいいな
- 今日はカレーの味が少し辛いな
毎日同じものを享受することで、小さな違いに気付けるようになり、身体や精神の変化が分かるようになるのです。
毎日変わることのないルーティンを継続する。
これも自分との約束に他なりません。
ただ自分が決めた約束を淡々と守り続け、地道に積み重ねる事。
一見遠回りに見えるけれども、一番の近道なんじゃないかと思っています。