仕事

仕事が出来ない人ほど、能力の低さに気づけない理由

客観的にみて、どう考えても能力が低い。
仕事が出来ないという人に限って、自信満々に見える。

みなさんの周りにも似たような人がいないだろうか?

彼らがなぜ自信満々に見えるのか。
それは自分自身の能力に気づくことが出来ず、鈍感なまま日々を過ごすことが出来るからだ。

これはつまり、
理解力というのは物事を理解する能力を指し、この能力が高いほど仕事が出来る可能性は高くなる。
客観的な視点から物事を考察したり、あらゆる状況を鑑みて、よりよい解決策を導き出せるからである。

仕事で重要なのは解決と創造の力である。

能力の低さに気づけない人たち

より高い困難に挑もうとすれば、自身の能力が未熟であることを自覚せざるを得ない。
あるいは、あらゆる局面を想定すれば、「万が一の場合はどうしよう」という思考になるため、不安や心配ごとが増えるだろう。

けれども能力の低さに気づけない人は、楽観的に見える。
これは「何とかなるという根拠のない自信」と「不測の事態を想像する能力がない」からである。
能力の低さに気づけなければ、そもそも努力しようなんて気は起こらない。

なぜなら、自身の能力は高く、出来る人間だと当人は思っているからだ。

それに失敗したとしても、「たまたま運が悪かった」程度に考えてしまい、自らを振り返ることが出来ない。

彼らに能力の低さを自覚させる方法はないのだろうか?

客観的事実を突きつけるのは、有効な方法の一つだろう。
「あなたは仕事が出来ないので改善する必要がある」という気づきを促すのだ。

彼らは、
「タイミングが悪かったですね。」
「ほんとにその通りですね。」
といった、適当に口から出た同調や他責思考で逃げようとしがちである。

けれども言い逃れの出来ない事実を突きつければ、言い訳をして逃げることができなくなる。

自分で客観的な判断が出来ないのであれば、他者が客観的な証拠を突きつけるしかないのだ。

能力の低い人ほど、自分を過大評価する

心理学における有名な理論に、”ダニング=クルーガー効果”がある。
この実験が示したのは、能力の低い人ほど自分の能力を過大評価しており、逆に能力の高い人は自分の能力を過小評価する傾向にあるというものだ。

心理学者のダニングとクルーガーは、学生たちを被験者に、
英語の文法、ユーモアのセンスなどについての自己評価調査を行なった。
そして評価が終わると、クラスの中で自分は何位くらいに位置しているかを推定するように求めたのである。

結論から言うと、
有能な学生たちは自身の順位を実際より低く評価し、無能な学生たちは自身の順位を実際より高く評価したのである。

優秀な学生たちは、自分が容易に実行できたタスクは他人にとっても容易であると誤った推測をした。
これはつまり、能力の低さに気づけない学生ほど
・自分の能力不足を認識できない
・他者の能力を正確に判断できない
ことを意味する。

ただし、能力不足を解消するために不足していた最小限の指導を受けることで、指導によって得たスキルの客観的な改善とは無関係に、自身のクラスでの順位を正確に判断する能力を向上させたのである。

これは、彼らに能力不足を解消するための指導を行うことで、判断能力を向上させることが可能なことを意味する。

もしも彼らに仕事で適切な指導を行えたならば、自身の立ち位置を認識させることができる。
認識できるのであれば、改善することが可能だからだ。

彼らは別に、他人からのアドバイスを無視していたわけではない。
単に認知能力が低いために、根拠のない自信を持っていたに過ぎない。
振り返る機会を与え、不足している能力を向上できれば自然と行動は変わっていくはずである。

最後に

自分自身を正確に把握することは簡単ではない。
特に、能力の低い人にとっては、自己認知が客観的認知より明らかに高くなってしまう。
その結果、他人から見れば「なぜあの人は仕事ができないのに、あんなに自信があるのだろう?」という、理解できない状態が生まれてしまう。

この問題を解消するためには、彼らに客観的事実を突きつけ、自身の立ち位置を自覚させるのが有効だ。
その上で、状況を改善していくには、何をすべきか提示してあげるといいだろう。

当人も悪気があるわけではなく、もしかしたら「なぜこんなに仕事をしているのに周りは理解してくれないのか」と評価のギャップに苦しんでいるかもしれないですしね。