朝は1分でも遅刻するとうるさいのに、定時を過ぎても気にしない。
どちらも就業規則から逸脱しているのに、なぜ?
このような疑問を持った人は多いんじゃないだろうか。
就業時間というのは、軽く見られがちです。
多少の残業なら許してくれるだろう。
「これくらいなら…」という気持ちが「就業時間=約束事」を破るコトに繋がるのです。
一見すると残業をしてまで仕事する人は、
「頑張っている」「仕事が沢山ある優秀な人」などと評価されるかもしれません。
もちろんそのような方もいるのでしょうが、僕の見た限りにおいて彼らは、
「仕事をどうやって終わらせてよいか分からない人」なんじゃないかと思っている。
残業は、”就業時間という納期”を破っている
仕事において、納期は最も大切にすべきものの一つです。
どれだけ良い商品であっても、期日通りに完成できないならば、注文に繋がらないことは多いです。
残業は、納期を破るコトと同じなんです。
それは違うという意見もあるでしょうが、仕事には一日8時間という縛りが定められていたはずです。
これはいうなれば、労働条件という納期です。
決められた条件の中で、いかに結果を出すか。これが仕事の優劣を決める、重要なファクターのはず。
それならば残業を前提にした時点で、すでに計画は破綻していると思う。
頑張りすぎれば、集中力は落ちるし判断力も鈍る。
一時期はランナーズハイのような状態になって「俺ってすげー」状態になるかもしれないけれど、そんなのはほんの一瞬。
トータルで見れば、無駄が多かったなと反省することも多いです。
まずは根本から見つめ直した方がよいのではないでしょうか?
残業はあくまでイレギュラーな存在であるべき
仕事で就業時間を守るコトは、当然じゃないかと。
残業は”当たり前”にするべきものではありません。あくまでイレギュラーなことであり、日常的に行われるべきものではない。
こんなことをいうと、やる気がないとか、怠け者だとか思われるかもしれません。
けれども、就業時間内に仕事が終わらないのであれば、そもそもの業務自体に問題がある可能性が高いです。
能力的に問題があるのか、業務の量が多すぎるのか、あるいは人員が足りないのか。
”根本的な原因”を見つめ直すべきです。
納期の守れない人に、仕事はコントロール出来ない
表面的な対処療法に終始するかぎり、状況は改善しないでしょう。
人が足りないのに、キャパ以上の仕事があるなら、そもそも業務量自体が間違っている。「とにかくやれ!」の精神で突き進むと、残業は無駄に増え続けるし、消耗するだけだ。
商品の納期は守れるかもしれないが、社員に対する納期は守れていない。
サービス残業でしか賄いきれないのであれば、原価割れを起こしている。
そもそも法律違反であるので、いつかは破綻する時がくるだろう。
つまるところ、納期を守れない人は、仕事をコントロールする能力が低いと言わざるをえない。
一日の仕事すらコントーロール出来ないのに、長期的なスパンである納期が守れるとは思えないということです。
目的だけではなく、手段にも注目する
ただ言われた通りにやるのではなく、どうすれば納期に間に合うかを考えるといいんじゃないかな。
言われたコトをこなすだけでは、ただの作業であって仕事ではない。
そこには創意工夫がないからです。
納期に向けて、どのような手段を選択するかが大切です。
より無駄がなく、より効率的な方法で目的地へとたどり着けるか。
大抵の場合、”目的”の重要さばかりが議論され、たどり着くための手段は蔑ろにされます。本当は、手段にこそ重きを置くべきなのにです。
最後に
経営者と労働者は対等である。
表面的にはそうなのだけれど、実情は経営者の発言力の方がどうしたって強くなる。
能力がないから、仕事量が多くても残業すれば…
そうした言い訳をすることで、僕たちの仕事時間は伸び続ける。
どこかで制限を設けない限り、際限なく増え続けるんです。
そして、リミットをかけられるのは自分自身だということを忘れてはなりません。
明日が不安だから、今日の内に進めよう…
ダメな部分は今日改善してしまおう…
仕事は求めれば、いくらでも作れます。改善すべき部分を改善しても、新たな不安要素は次々と出てくる。
そんな中で、いかに大切な箇所にだけフォーカスを当て、余分な箇所を切り落とせるか。
まずは、就業規則という納期を自分に課しましょう。
自分への納期を守れない人が、顧客への納期を守れるとは思えないのですから。