仕事

進むも止まるもイバラの道 歩みを止めてはいけない理由

漫画「カイジ」から学べることは沢山あります。

社会で生きていくのが何となく苦しい。何とかこのぬかるみにハマったかのような日常から抜け出したい。

そんな方に希望の光を「カイジ」が照らしてくれるでしょう。

給料はなぜその金額なのか

「お金がない」ことで、毎日の生活が苦しいという方が大勢います。働いても働いても、お金は貯まらず、給料は一向に上がりません。

そもそも、給料はなぜ、景気がよくなっても、会社が儲かっていても、一向に増えないのでしょうか

ドイツの思想家カール・マルクスは「資本論」の中で次のようなことを言っています。

商品の値段が商品の価値で決まっているのとまったく同じように、給料が「労働力の価値」で決まっているからなのです。

商品の価値は、その商品を作る原材料の積み上げで決まっていました。言い換えると、その商品ができあがるのに、どのくらいのものが必要か、で値段が決まっているのです。(省略)

給料も一緒です。明日あなたが元気に仕事をするために、必要なものを給料で支払いましょう、という考え方なのです

会社で活躍すれば、給料が上がると思っている人は多いです。けれども、実際には営業成績が2倍になった所で、給料は2倍にはなりません。

多くの会社では、数千円が報酬としてプラスされる程度でしょう。

それはなぜなのか?その理由は、私たちの給料が、”必要経費方式”で決まっているからです。つまり私たちが、明日も元気に働くために必要なものの積み重ねで、給料は決定しているということなのです。

明日も元気に働くためには、衣・食・住が整備されていなければいけません。生活に不安があれば、健康に働くことが出来ませんからね。そのため、食事や寝床、服などを購入できる金額は最低限必要です。それに加えて、家族を養っていれば、妻や子供の分のお金も必要になってきます。

給料は、こうした”必要とされる経費の合計値”によって決定されているのです。

スキルがあれば給料が上がる?

みなさんが働くためには、知識・経験が必要不可欠ですね。これも「明日働くために必要なもの」にカウントされているのです。

 

弁護士や医者になるためには、膨大な時間とコストがかかります。それが考慮されているのです。だから弁護士や医者の報酬は「高くて当然」と感じるのです。

給料を上げるためには、資格を取ってスキルを上げなくては。そう思ってしまいます。

もちろん、資格を取れば給料は上がるでしょう。けれども、その給料が上がった分というのは、「スキル習得に費やした時間分と同じである」と知っておくことは重要です。

例えば、医者は給料が高いです。一般企業で働いている方と比べると、その差は一目瞭然でしょう。

でも医者の給料が高いのは当たり前なんですね。医者になるためには、医学部に行って膨大な量の勉強をする必要があります。また、医学部は6年間行く必要がありますし、他の学部に対して学費は比べ物にならないくらい高いです。医者になるにはコストがかかるのですよ。

ですので医者は、「医者になるためにかかったコスト」が給料に反映されているから高給なのです。

一般の商品と同じように、給料も積み上げで決まっているのです。

スキルをいかに少ない労力とコストで手に入れるのか。最も大切な部分はそこなのですね。

人生に近道などない

イチロー選手は次のように言っています。

「近道はもちろんしたいです。簡単にできたら楽なんですけど、でもそんなことは、一流になるためには、もちろん不可能なことですよね。

一番の近道は、遠回りをすることだっていう考えを、いまは心にもって、やってるんですよ。それが唯一の道じゃないかと、思えるようになったんですよ

via 『イチロー89の言葉』児玉光雄著、三笠書房

人生に近道はありません。一見遠回りであると思われることが、一番の近道であるということなのですよ。

野球やサッカーを例にすると、オーバーヘッドやホームランといった華やかな技をいち早く習得したいと思います。しかし、それらの技は基礎筋力や体力があって初めて出来る技なのです。

ですので、まずは基礎体力を作るための地道なトレーニングをする必要があるでしょう。一見、遠回りに見えても、地道なトレーニングがいずれは、高度な技を習得するための一番の近道に繋がっていくのです。

正しい知識を持って目標に向かう

ただし、やみくもに目標のための練習をしていても成長は遅くなってしまいます。正しい知識を持って、目標に突き進んで行くことが大切です。

そして、来るべきチャンスを待つことです。

準備をしっかりとしている人は、目の前にチャンスが舞い降りた時に、掴むことが出来るでしょう。しかし、何の準備もしていない人は、その存在すら気づかないかもしれません。

ビジネスにおいても、正しい知識は必要です。市場の動向やビジネスモデルについての知識がないと会社の方向性を判断することは難しいです。意味が分からないと、せっかくのチャンスが来ていても逃してしまうのです。

自ら学び、必要な知識を増やしていくことで、他の人が気づいていない事に反応出来るようになります。それが、周りとの差別化に繋がり、一歩抜きんでた存在になることが出来るようになるのです。

あとがき

人生を豊かに生きるためには、正しい知識を持って、スキルを磨き、来るべきチャンスを待つ。そうすることによって、ぬかるみから抜け出せるようになるはずです。