- 人は「買う側」、「売る側」の2つに分かれる
- 「面白い、楽しい」を追求する
- 好きなことを仕事にし、常識に囚われない
1974年、28歳で文化屋雑貨店を始めた長谷川義太郎さん。
独特のクリエイティブな空間を持つお店は、常に時代の最先端を突き進んできました。
>>長谷川義太郎さん 第1回 金にならない仕事はおもしろい!
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一体なぜ長谷川さんは、時代の流行を先取りし、世の中に革新を起こし続けることが出来たのでしょうか。
- お店の経営
- 物事の考え方
- モノづくりへの意識
長谷川思想のすべてが記されている一冊です。
人は「消費する側」か「生産する側」の2種類
人間のタイプって大別していうと、「買う側の人」「売る側の人」の二つのタイプに分かれると思うんだ。
(省略)
たぶん、お豆腐屋さんはケーキ屋さんに行っても、そうは簡単に買わないと思う。
お豆腐はどういう豆で出来ているかってことは当然知っているわけだけど、それがあるから、なんとなくケーキのこともわかっちゃう。
原価とかね。
そうなると、そうは簡単には買えないものなんです。
人は「買う側」と「売る側」に分かれるという意見には非常に納得しました。
僕自身、「古本販売」という商売を行っているため、物の原価や商品の価値といった、数字を考えることが多いです。
するとお店に行くと
- この商品の元値はどれくらいだろう?
- 販売することによって、どれくらいの利益になるのだろう?
といったことを、自然と考えるようになるのですね。
いつも売る側の立場で考えてしまうため、どうしても商品の購入に慎重になってしまうんです。
モノを作る側や売る側は、色んな物を見たり、作ったりしてきた経験から、商品の価値について敏感です。
結果、簡単には物を買えなくなります。
仕事は「成果」が見えると楽しくなる
世の中に存在する仕事の多くは、その成果が直接本人に返ってきません。
例えば、工場のラインで働いている人は、自分の作ったものがどういう評価を受けるかわかりませんし、どのくらい売れているかも知らないでしょう。
与えられた手順通りに作業をして、商品を作り続けるのみ。
つまり「作った物に対する結果」が、本人にフィードバックされないのです。
それでは、仕事のモチベーションを高く保つことは難しいかもしれません。
仕事の面白さや楽しさは、「社会に対して役に立っている」ことを実感して初めて生まれるものだからです。
長谷川さんも次のように言っています。
あとね、その会社でデザインをしてるときにイヤだったのが、自分がやったデザインがどういう評価をされるのか、どういう影響力を持つのかが、よくわかんないってこと。
長谷川さんがサラリーマン時代、デザイン会社で働いていた時のことです。
半年かけて煮詰めたデザインを、偉い人の一言で反故にされたそうです。
今まで、強い想いを持って作品づくりに精を出してきたにも関わらず、一瞬で一蹴りされてしまったんですね。
これは、サラリーマンの世界では当然のことなのかもしれません。
上司がNOと言えば企画は通らず、ルールに反することは叩き潰される。
けれども長谷川さんは、この構図がバカバカしく思えてしまったそうです。
その結果、会社を飛び出して「面白いもの・楽しいこと」を追及するようになります。
会社にイヤイヤ行く人間ではなく、面白いことをやっている方が絶対楽しいと思ったからです。
常識に囚われないことが大切
一番最初の文化屋は、それまでの問屋さんとか流通の、第一次産業、第二次産業、第三次産業的な壁をなくしちゃうことをやったの。
問屋さんに買いにいかなくちゃいけないところを、ほかで仕入れるっていう。
物は問屋から仕入れる。
当時は、商品を問屋から仕入れるのが一般的でした。
それにも関わらず長谷川さんは、問屋を通さずに独自の仕入れで商品を集めていきます。
常識に囚われないことで、「文化屋にしか出来ない仕入れ」を実現したのです。
もちろん、仕入れの方法や業界の慣習を深く理解していなかったことも要因の一つでしょう。
しかし今の自分にできる選択肢の中で、最善を尽くした。
それがのちに、文化屋が流行を先取りし続けた理由になったはずなのです。
自分の「好き」なことをするのが仕事
お金にならなくても「こいつは面白い」とかさ、面白そうなやつに褒められたりしたら、図に乗ってやっちゃったり。
それで儲からなくても全然平気。
だって面白いんだから。
本来、「仕事」っていうのは、「自分のやりたいこと」をするのが「仕事」なんです。
「楽しいこと・面白いこと」を仕事にする。
これを実現できている人は、どのくらいおられるでしょうか?
仕事は一般的に、「辛く苦しいもの」である。
そうした考えが社会の根底にあるため、嫌な仕事でも「そういうものだと」思って続けている人は多いのではないかと思います。
けれども長谷川さんは、「仕事」は、
- 儲からなくてもいい
- 楽しければいい
そう言い切ります。
自分が楽しんでいないのに、人を楽しませることはできない。
自分が面白くないのに、人が面白がることは決してないでしょう。
この本を読んで思いましたが、そもそも興味のない面白くないことを「仕事」にするという、根本が間違っているのかもしれませんね。
最後に
面白く、楽しく生きたい。
その手段の一つが、長谷川さんにとっての「文化屋雑貨店」でした。
自分の思いに従って行動することで、道が開けてくる。
そして、結果が付いてくる。
この本を読むことで、長谷川さんの経験してきたことを追体験できるでしょう。
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