「役に立つ本」だけを読みたい。
これは、誰しもが願っていることでしょう。
人生は有限であるにも関わらず、書籍の量は膨大です。
その中から、いかに自分にとっての”良書“と”悪書“を分類するか。
時間のない忙しい現代人にとって、その能力を身に付けておくことは必須項目のようにも思えます。
この記事では、以下の2点を中心にご説明していきます。
- 「役立つ」を基準にする危険性
- 外部のノイズを受け入れる
「役に立つ」という基準の危うさ
ただ一つだけ注意したいことは、この「役に立つ」という判断基準そのものが正確である保証がないことです。
冒頭の文章を端的に表現仕直すと、
自分が役に立つと”思った”本しか読まない
ことになります。
自分の判断基準のみですべてを決定する。
これでは少し危険な香りが漂ってくる気がしますよね。
読書は人の価値観を変えてしまうかもしれない
本を読むという行為は人の成長、それは特に、“思考”に対して多大な影響を与えます。
新しい価値観や考え方を知ることは、人の価値観を一変させてしまう可能性があります。
本を”読む前”と”読んだ後”でまったくの別人になっている。
つまり、読書をすることは”思考”をブラッシュアップして、判断基準をアップデートする作業になります。
今まで持っていた”世界観”や”当たり前の基準”が、再構築されてしまうことだってあるのです。
そのような”読書”という行為において「役に立つ本しか読まない」という指針は、世界観が変化しないことに繋がります。
いわば”井の中の蛙“になってしまうということです。
新たな世界を増やしていこう!
世の中には、”現在”の自分の判断基準では推し量れないことが沢山あります。
素晴らしいことが書かれていても、あまりにも深すぎて”今の自分”には到底理解ができないもの。
そのような本を読むと、作者は「あなたの判断基準を変化させろ」と迫ってきます。
- もっと広い世界があるんだぞ
- 世の中にはもっと違った考え方があるんだ
- もっと広い視野を持ちなさい
- 異なる考え方を受け入れなさい
新しいプログラムのインストールを求められるのです。
その結果、自身の判断基準に新しい扉が開けます。
そして、宝もの探しをするように、新たな財宝の扉を一つ一つ開けて行くことで、人は成長していきます。
けれども、もし「役に立つ本しか読まない」という指針に従っていれば、”現在の自分が理解できる範疇“より外部の本に出会うことがありません。
だとすれば、その時点で人の価値観の成長は止まってしまいます。
はたまた、”立ち止まるコトは後退”という言葉もあるように、下手をすればダウングレードしてしまうはずです。
外からくる”ノイズ”によって鍛えられる
結局、何が言いたいかというと、
判断基準を持っておく事は大切だけれど、それがアップデートされない状態だと、いささかまずい状況なんじゃないの?
ということです。
居心地の良い環境にいるのは気楽なものですが、何事も成長するためには”ある程度の負荷”が必要なものです。
持久力を高めるためには、息を切らしながら走らなくてはならないように。
はたまた筋力をつけるためには、筋トレの苦しい局面を乗り越えなければならないように。
“自分だけの世界”の外部からやってくる、”ノイズ”にも敏感に反応し続けていたいものです。