書評

フリーランスになりたい人が最初に読む本『フリーランスの教科書』

フリーランスという言葉が声高に叫ばれるようになったのは、2012~13年頃からだったのではないかと思います。

当時の僕は大学3年生。就職活動が始まるのは、年の瀬の12月頃であり、現在の就活生に比べれば時期的には早かったと記憶しています。

結婚したら一生を添い遂げるという過去の風習と同様に、一番初めに入った会社で定年まで働き続けるのだ。多くの学生と同じようにそう思っていました。

そんな時に注目を浴び始めていたのが”フリーランス”という言葉。しがらみに囚われることなく、自由に働く場所を決めて好きな仲間と仕事をする。そういう仕事の仕方もあるのかとわくわくしたことを今でも覚えています。

ただ、実際に調べてみると、中々ハードルが高く、甘くない世界だと思い知らされました。また、うさん臭く感じたのも事実です。会社に行ってサラリーマンでいるのが”当たり前”だと思っていた自分からすれば、そんな生活が出来るのは、何か人様に不利益を与えている対価なんだろうくらいに考えていたからです。

でも、そんな僕もフリーランスではないものの、少しばかりそちら側に足を踏み入れている段階。フリーランスと同様に、副業で得た自分の儲けに対する税金を納めようとしています。その一歩として、こちらの本『フリーランスの教科書 』を読了してみた次第です。

読んでみての感想としては、新書であるにも関わらず、これ一冊あれば基本的な知識は十分賄えるということ。対話形式であるため、本を読むのが苦手な人でも非常に読みやすいと思いますね。

 

“専門家”が説明するやさしい税金の教科書

見開きにも書かれているように、本書は税理士と社会保険労務士の肩書きを持つ、お金のスペシャリスト2人が書いている著作です。お金の専門家というと、何となくとっつきにくい気もしますが、素人の自分が読んでもすんなりと理解することが出来ました。

いきなり小難しい”税”の話から始めてしまう本が多い中、あえてフリーランスのメリットデメリット・給料の仕組みなどから始める。外枠から説明し、徐々に細部にフォーカスを映していく。「全体像⇒細部」を説明される事で、全体が理解しやすくなっています。

特に優れている点は、読者の視点に立った物語形式で話しが進んでいくということ。何も考えることなしにフリーランスになった”僕”が、専門家に一から”税”に関する知識を教えてもらいながら、成長していくという物語になっています。

大まかには、次のような章構成。

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  1. 契約とギャラ交渉
  2. 税金と確定申告
  3. 保険と年金
  4. 法人化

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フリーランスの契約とサラリーマンの違いに始まり、確定申告するための税金のまとめ方や支払い方法について。そしてリスク回避のための重要なセーフティネットである保険や年金、法人化したときの処方箋までが網羅されています。

実際、サラリーマンをしていると、税金の支払いというのは意識することがありません。なぜなら会社が勝手にやってくれるから。自動で毎月引き落とされる”源泉徴収”欄を見ないでいられるのは企業に雇われている者の特権でしょう。

給料が少ない、残業代も出ない会社なんかくそだ。そう思っている人もたくさんいるとは思いますが、そうはいっても、僕たちは色々と守られている。保険料にしても、税金にしても、会社が負担してくれているから、少ない負担で利益を享受することが出来ているんです。

もし仮に会社を辞めた場合、保険料は驚くほど跳ね上がります。約2倍ですよ、2倍。実際僕は会社を辞めた時、「この請求間違ってるんじゃないの?」と首をひねってしまいましたし、いかに会社が守ってくれていたのか痛感させられたんです。

 

サラリーマンだからこそ知っておきたい税金

確かに、会社員にとっての”税金”は身近な存在ではありません。普段は自動引き落としされていて、意識することもない。別に俺には関係ないから知らねーよ。という人もいることでしょう。

しかし、だからこそ今の内に学んでおくべき知識だと僕は思うのです。「税金」「確定申告」「保険」「年金」というのは、生きていく上でとっても大切な知識であり、情報なんです。自分の身を危険から守り、あるいは未然に防いでくれるかもしれない。

例えば”医療費控除”。確定申告の一種であり、事業所得とは別にある申告制度です。これは、年間で10万円以上の医療費が掛かった人に対して、かかったお金の一部を返金しようというありがたーい制度です。ただ、この制度は、自分で確定申告をした人にしかお金が返ってきません。ですので、制度を知っている人だけが得をして、知らない人は損をする。

持っている情報の差によって手に入るものも得られなくなってしまうのですね。

誰も言わないだけで、そんなコトは沢山あるのです。

本書では、そんなちょっとしたお得情報も書かれています。1000円程で買えますし、そこらへんの専門書よりも分かりやすくて初心者でも読みやすい。ページ数も200ページくらいとちょうどいいボリューム感になってます。

 

「一人でも、地に足つけて、強く生きていこうと覚悟した」すべての人に捧げるフリーランスの教科書

 

それでは今日はこんな感じで。

グッドラック!

 

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