仕事

自分の頭で考えてみよう。 情報の海から抜け出て、自分なりの答えを出そう。

インターネットが発達するにしたがって、
通常では知りえない情報が手に入るようになった。

アイドルの私生活や、お金持ちの生活など、
自分とはかけ離れた人たちの生活が、手に取るようにわかるようになったのだ。

以前は情報をたくさん得るほど、他者との違いが生まれると思っていた。
より多くの情報を手に入れ、より広く、深い位置へとアクセスしてやる。
そうすれば、他者との差別化を計ることができ、人生を優位に進めていけるんじゃないかと。
流行りのビジネス本を読めば、
情報を大量をとりいれろ!
といったキーワード、はいくらでも目にできるはずだ。

情報は人を傷つける

でも、ある時を境にこの状況に疑問を覚えるようになった。
情報は今後も際限なく増え続けるだろう。

その量は、もはや人間がキャッチアップするのは不可能で、
深く知るほど個人を傷つける、もろ刃の剣になりうるんじゃないかと。
他者との間に劣等感を覚えるし、いずれすべての情報は、機械の補助によって、手に入るんじゃないかと。

また、最近インスタグラムやyoutuberが流行っているが、人気を博しているのはほんの一部にすぎない。
数万分の一の人間が取り上げられ、多くの人から注目を浴びる。
そして、僕たちはそのたった一人を羨望の眼差しで見つめる。自分も彼らと同じ存在になれることを信じて。

のっぺりとした無機質な世界

ネット上では、誰もが、自分をブランディングし、他人より優位に見せようとしている。

彼らを見ていると、あまりにも刺激が強すぎて疲れてくる。

華々しい経歴、憧れるような理想の日々。

そういったキラキラした生活は、まるで無機質で汚い不純物を取り去った、アニメや漫画の世界のようだ。

情報に振り回され、劣等感に苛まれ、理想と現実のギャップに絶望する。
情報の海の中をさまよい続け、貴重な”今”という時間をどぶに捨てているような気がするのだ。

逆に今、ほんとうに大切なのは、
新しい情報を取り入れることではないと思う。

重要なのは、稚拙でも、つたなくても、自分の頭で考え、自分なりの答えを導き出すことなんじゃないかと。
周りに振り回されると、自分がなくなってしまうんだ。

自分なりの答えを出す

ネットでキーワードを検索すれば、それなりの答えは簡単に見つかるだろう。
状況に照らし合わせれば、簡単に解決できてしまうことも多いだろう。
でも、今も昔も人間が持っている本質的な問いに対する答えは、すぐに見つけることができない。

どれだけそれっぽい情報でも、考えたのは結局、他人である。
答えのない問いに対する答えは、自分で見つけるしかないのだ。
自分の頭で納得できるまで考えるしかないのだ。

時代に逆行するようだけれど、
問いの答えを、自分なりに導きだす力は大切にしたいと僕は思う。