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人生で大切なのは、”生き抜く力”=”対応能力”を身につけること — 『人生100年時代のお金の不安がなくなる話』

竹中平蔵さん×出口治明さんの対談本「人生100年時代のお金の不安がなくなる話」を読んで考えたことをご紹介します。

これからの時代で大切なことは、「稼ぐ力、生き抜く力」です。あなたは生き抜く力を身に付けられていますか?

変化の時代を生き延びるためには、「対応能力」が必要

本書の中で、こんな記述がありました。ここが生き抜く力を考える上で大切なことなのです。

僕はダーウィンが好きなのですが、生き残っていくために必要なのは、強さや賢さではなく「対応能力」です。

では「対応能力」とは何かというと、環境の変化に条件反射する力というより、世の中で何が起こっているかを、原点に立ち戻り根本的なところから「考える力」がベースになっていると思います。

そのためには、経験に振り回されずに、ゼロベースで考え抜くことが重要です。

大切なことは、現状を把握し、認識することです。過去からある程度の未来を予測することは出来るでしょうが、確実な未来はわかりません。

今の状況を理解し、不確実な出来事に一つ一つ対応していくこと。

変化を恐れない気持ちを持つことが必要になってくるのですね。

「対応力」を身につけるにはどうすればいいか

竹中さん、出口さん、どちらも「対応力の身に付け方」に対する答えは同じものでした。

竹中:大切なのは自分の頭で考えて本質を見抜くことですよね。

出口:コンピタントと言ってもいいし、地頭と言ってもいいし、考える力といってもいいのですが、要するに、常識を全部すてて、「自分の頭で考え抜く力」を持つことが基本ですよね。

では、どうすれば考える力がつくのかといえば、「なぜ、なぜ、なぜ」と問い続けることだと思います。

ウェイトトレーニングと同じで、考える力も、一定の負荷をかけなければ身につきません。

地頭を鍛えたければ、社会常識から離れて、「なぜ、なぜ、なぜ」と考え続ける必要があるでしょう。

「考える力」を身につけること=「対応力」であるという答えは納得がいくものでした。

日常生活に置き換えてみても、「考える力」は必要な能力です。

家事をするにしても、仕事をするにしても、思考しトライアンドエラーを繰り返す。

その過程を経て、初めて次のステップに進むコトが出来るのです。

好きなように働くのが一番

そして、「対応力」を身につけた上で、好きなように働くコトが一番だと竹中さんは主張します。

私は若い人によく、「お金や社会的地位よりも、自分の夢に一生懸命に向き合うことが大事だ」と言っています。

人生というのは、結局のところ、夢をかなえるプロセスだと思うんです。

その夢を90%叶えられる人もいれば、30%だけしか叶えられない人もいる。でも、30%でもかまわないわけです。

人生の満足感はプロセスの中にあって、「一生懸命生きたかどうか」が大事なわけですから。

今後の日本では、寿命がのびて、定年になれば隠居生活。そんな図式はなくなってしまうかもしれません。

その兆しとして、定年の引き上げは行われていますし、年金の支給開始年齢は延長されてきています。

そんな状況ですので、20歳から60歳までの約40年間を会社に捧げるという、社会の常識は通用しなくなるはずです。なぜなら40年では済まず、一生働き続けなければならない可能性もあるからです。

同じ場所で働き続けるメリットがなければ、状況は変わります。労働市場は活性化し、人材の流動化も進んでいくことでしょう。

ただし、「やりたいこと」が見つからないという人は多いです。確かに、それは簡単に見つかるものではないのかもしれません。

でも、一生をかけて見つければいいと考えればどうでしょう。

人生長いのだから、”今”好きなこと、興味のあることをやってみる。もし、途中でダメだと思ったら方向転換をしても大丈夫。

何度も「これは違う!」を繰り返すことで、本当に自分のやりたいことが見えてくるのです

やりたいと思ったことは、やってみるべき

私自身、”自分が本当にやりたい事は何か”を模索している最中です。そして、やりたいと思ったことには少しずつ挑戦するようにしています。

本業はIT関係の仕事をしていますが、プログラムについて学びたいと思ったからこの業界を選びました。

プライベートで行っているブログや本の販売に関しても、「少しでも役に立つ情報を提供したい」「本の良さを一人でも多くの人に知って欲しい」という思いで取り組んでいます。

もちろんこの先、興味あることは変わるでしょう。しかし、”今”興味あることをやらないと後悔する。

そう思って取り組んでいるのですね。

生き抜く力を育てよう、そして会社員にも必要

また色々なことに挑戦することは、生き抜いていく力を養ってくれます。

会社に行けば、日々の仕事を通して、能力を伸ばしていくコトが可能です。仕事でスキルが身に付けば、転職活動でも有利になることでしょう。

それに個人で稼ぐ力を身につけることで、会社の収入だけに依存しない人生を歩んでいけるようになるんですよ。

大きな方向だけは定めよう

ただし、大まかな指針のようなモノは定めておく必要があるのではないかと思います。

何の地図も持たず航海に出ないように、”こういう人間になりたい””将来はこんな生活を送っていたい”というような、人生の目標・指針はあった方がいいです。

これまでの日本人は、人生の地図を持っていたんですよね。

偏差値の高い大学を出て、一流企業に入って、管理職になって、役員になって、定年退職して、悠々自適という。

ですが、そんな地図はもうないし、あったとしても使えません。

これからの時代に必要なのは、「自分はどういう専門性を持って、どういうふうに生きていきたいのか」という羅針盤です。

あらかじめ決められているレールを歩くことは簡単です。レールから外れなければ安泰ですし、群れから阻害されることもありません。

でも現在では、レールにすべての人が乗ることが出来ません。

ならば、レールは自分で作っていくしかありません。人生の目的地をどこに設定するのか。

自分で決めるのは大変ですが、その反面自由です。責任は伴いますが、自分で選択することが出来る。

考える力を見につけ、対応力を持って人生を歩んでいきたいですね。