世の中には他人の揚げ足をとって、批判ばかり行う方が多いです。
ニュースを見ていても、政治家や芸能人といった”他者への批判“で溢れています。
では果たして批判している人は、批判できるだけの”素晴らしい何か“を行っているのでしょうか?
また人生を本当に楽しんでいるのは「批判している人」、「批判されている人」のどちらでしょう?
芸人のマキタスポーツさんの「一億総ツッコミ時代 (星海社新書)」を読めば、人生を楽しむための極意がわかります。
世の中は”ツッコミ”ばかり
マキタスポーツさんといえば、芸人、ミュージシャン、俳優、コラムニストといった幅広いジャンルで活躍しています。
そのような経験から、人生を楽しむためには、”ツッコミに回るべきではない“という結論を導きだしました。
ツッコミという行為は、かつては面白い言動(=ボケ)に対してのみ行われるものでした。
しかし今やあらゆる失言、失敗に対しても行われるようになった。
ツッコミというよりも指摘、避難というたぐいのものに成り替わったのです。
昔は誰かが「ボケ」をやった時にのみ、ツッコミという行為は行われていました。
しかし例えばニュースでは、政治家や芸能人は連日非難の的に晒されています。
そうした状況を見ていると、批判をされる側(=ボケ)ではなく批判をする側(=ツッコミ)にみんな回りたいと思うようになります。
誰でも自分が頑張っていることを否定されるのは辛いですし、”批判”は努力せずとも簡単にできてしまうからです。
その結果、笑いを作り出す手法であった「ツッコミ」は、人を批判するツールになりました。
そして大多数の人は、批難を恐れて失敗を避けるようになってしまいました。
“ツッコミ志向”と”ボケ志向”
そもそも「ボケ」と「ツッコミ」をどのようにマキタスポーツさんが考えているのか、ご紹介しておきます。
ツッコミ志向:自分では何もしないのに他人がすることについて批評、ときに批判することを指します。
ボケ志向:主体的に、主観的に行動する人の考え方です。
つまり、自分が主体的に行動して笑われる側(=ボケ)、ボケを批判する側(=ツッコミ)の2つが存在することになります。
ボケになった方が楽しい
以下のような光景を思い浮かべて欲しいです。
地域のお祭りが行われています。
「さあ、お神輿を担いでいる人達が商店街を出発しました。
“ワッショイわっしょい”という掛け声が商店街に響き渡ります。
おっ、何か楽しいことをやってるな。祭りをやってるのか。ちょっくら写真でも撮ってツイッターにでも挙げておくか。」
さてこの時、ボケとツッコミは誰になるでしょう。
マキタスポーツさんの考え方に当てはめると、
- お神輿を担いで主体的にお祭りに参加している人 = ボケ
- ただ遠巻きに祭りの写真を撮っているだけの人 = ツッコミ
になります。
この時、どちらの方がお祭りを楽しんでいるでしょう?
答えは簡単ですね。
そこはやはり神輿に関わる側、すなわち「ツッコミを入れられる側」になった方が面白いでしょう。
人がやっていることを見ているより、自分が経験して、やってみる方が楽しいに決まってます。
その精神がボケに回ることであり、人生を楽しく生きる秘訣なのですね。
周りの目ばかり気にしない
一時期、「空気を読む」という言葉が流行ったことがあります。
この言葉が表しているのは、次のような意味なのだと感じています。
- 周りに強調しなさい
- 輪を乱してはならない
- 自分を殺してでも周りに合わせなさい
つまり、その場で守るべき「暗黙の了解に従って行動しなさい」ということなのです。
しかし先ほど紹介したように、人生を楽しむためには、自分を殺して気持ちを抑えるのではなく、「ボケ」になって批判される勇気が必要になります。
和の精神を守るだけでなく、しがらみから一歩踏み出る必要があるのです。
お笑い芸人を参考にしよう
ボケになる勇気が出ない方は、お笑い芸人を参考にするのがおすすめです。
例えばリアクション芸で有名な、”出川哲郎”や”江頭2:50”
彼らはテレビの中で率先してピエロ役を引き受け、周りからツッコミまれるようなことばかりしています。
そのような状況を見て、周りの芸人や視聴者である私たちは大笑いしているわけです。
この時、僕たち視聴者は「バカだな~」と彼らを見て楽しんでいるわけですが、当の本人は僕たち以上に楽しんでいるはずです。
ツッコミ続けたままの人生で本当にいいのでしょうか?
僕たちも人生を楽しむために、彼らの技を吸収してみるのがいいかもしれません。
自分を世の中に出し続ける
僕たちは成長を続ける「未完成」の存在です。
そんな未完成な状態では不安なので、自分が傷つく前に、遠い所からツッコムことで安心してしまいます。
僕自身も、何の行動もしていないにも関わらず、頑張っている人に皮肉を言ってしまったことがあります。
そんな方のために、最も印象に残った言葉をご紹介します。
自分探しを自分の中で続けるのではなく、今の自分を世の中にぶつけてみる。
そこで叩かれたり、削られたりしながら、自分を形成していくのです。
そのままの自分を出すことは「ボケ」です。
そしてまわりの「ツッコミ」を受けながら、自分という作品を作っていく。
人はそうやって成長していくのです。
最後に
人を批判することは簡単です。
しかし自分が「ボケ」になり、率先して行動することは難しいです。
叩かれる事を恐れず、自分の持っているものを表現していく必要があるからです。
実はこのブログも、「ボケ」に当たると思っています。
自分の意見や考えを表明することで、共感してくれる人もいるでしょうが、中には「何を言ってるんだ!」と批判されることもあるでしょう。
それでも発信するのはなぜか?
それは世の中に出してみないと「自分」の真価が分からないからです。
叩かれながら、削られながら、「自分」を確立していくこと。
「ボケ」になり、楽しみながら人生を歩んで行きたい。
僕はそう思っています。