文章が書けないというコトは、”考える機能”が上手く動作していないことを意味する。
つまり、
書くコト=考えることである。
自分の頭で考られるなら、文章はきっと書けるようになるだろう。
自分の思っていることが相手に伝わるようになるし、思い通りに意思疎通が出来ないという苦しみから解放されるはずだ。
・自分は文章を書くのが苦手だから
・才能がないから、無理だ
恐らくそんな思いを抱えている人って沢山いるんじゃないかな。
ほかならない、僕自身も”書くコト”に対して、コンプレックスを抱えている。
小学生の頃から、課題で出される作文が嫌いでしかたなかった。
口頭では情景や感情を伝えられるのに、用紙を前にした途端、何も思い浮かばなくなる。
一向に筆は進まないし、「自分の頭の中は空っぽなのか?」と、自身の無能さに絶望していた記憶が痛切に残っている。
文章は暗記で書けるようにはならない。
単語や慣用句をどれだけ知っていようとも、単語を繋ぎ合わせ、一つの機能する文章に仕立てるには、自分の頭で考えて、表現していく必要がある。
ただ、”自分の頭で考える”とは何か?
という問いの答えを、僕たちは学校で習わなかったのではないだろうか。
ここに、文章教育の問題点がある。
問いに対する答えを教えずに文章を書かせれば、答えに辿りつけない生徒たちは、”書けない自分”が嫌いになるかもしれない。
僕自身がそうだったように、”特別な才能がないからダメだ”とか、”自分には到底無理だ”と諦めてしまうのではないだろうか。
ブログを書き始めて感じたコトだけれど、文章を書くのに大切なのは、センスでもなければ、天性の表現力でもない。
もちろん、小説家のような優れた文筆家になるためには、センスは必要かもしれないが、
そうでないならば、必要なのは”書くための考えるコツ”や”ちょっとした方法”なんだと思う。
でも今回はその前に、
そもそも”いい文章とは何なのか?”について書いてみたいと思う。
文章の目指すゴール
そもそも、あなたは何を目的として文章を書いているだろうか?
・面接に受かるため
・好きな人へ好意を伝えるため
・商品のメリットを説明するため
一口に文章といっても、書く目的は違うし、たどり着きたいゴールだって違うだろう。
文章力を伸ばすにしても、どこを目的地として能力を向上させればいいのだろうか。
山田ズーニー著、「伝わる・揺さぶる文章を書く!」の中では、次のように語られている。
例えば、「絵」と一口に言っても、ピカソが描く芸術性の高い絵画と、「あなたの胃はここが弱ってます」と医者が患者への説明のために描く絵は、ゴールが全く違う。
文章だってそうだ。よく「文章」とひとくくりにされるが、種類によって、ゴールも、良いか悪いかの基準も、トレーニング方法も、まったく違う。
小論文を例に挙げてみよう。目指すゴールは「説得」だ。
論理的思考力で評価される。小論文で情感や余韻をねらおうとすると、説得というゴールに辿りつけない。一方、作文を、すみずみまで論理で整理すると、せっかくの味わいが死んで、「豊か」とは縁遠い所に着地する。
p26 「伝わる・揺さぶる文章を書く!」
このように、いい文章は目的によって変わるというコトだ。
説得が目的なのに、論理を省いて感情だけで突っ走ってしまえば、相手を説得するのは難しいだろう。
恋人に対して、感情抜きに会話をしようとすれば、きっと相手に嫌われてしまうに違いない。
自分の目指すべきものは何か?
そこに辿りつくためには、どんな構成で進めればいいのか?
目的へ辿りつくための思考を積み上げるコト。
それこそが、いい文章を書くコトに繋がっていくんじゃないかな。
結果を出す文章
仕事で文章を書く場面を想像してほしい。
・部下への指示
・上司への結果報告
・業務への提案や意見
この場合、いい文章とは何を指すのか?
それは、結果を出す文章だと思っている。
部下への指示に必要なのは、感覚的なものや、余韻がある文章ではない。
仕事のやり方ややるべきコトが的確に分かる、部下が「よし!やってやるか!」という気持ちにさせるような文章だ。
そして、その結果、仕事を部下が完成させられるのか。
つまり、結果が求められるコトになる。
体調が優れないようであれば、他の人にフォローを頼んでおくべきだし、もし後輩が忘れっぽいのであれば、その点も考慮に入れておく必要がある。
あくまで、
”部下が仕事を完成させるのが目的”であり、その目的に与する文章なのかが重要なのだ。
状況に応じて変化し、他者との関係性の中で機能し、結果を出す文章。
あなたの書く文章は、状況に応じて、適切に働いているだろうか?
果たして望むような結果が出せているだろうか?
最後に
文章を書く機会はどんな人にだって訪れる。
メモを残す、相手に気持ちを伝える、お願いごとをする。
あらゆる場面で文章を書く機会はあって、その目的は様々だ。
もし、目的達成のために文章が書けるなら、誰もが自信を持って”書くコト”が出来るようになるはずだ。
僕のように、「上手く伝わらないのが怖い」「意味が分からないと批判されたらどうしよう」といった、恐怖心や何とも言えない閉塞感を感じなくても済む。
あなたの書いたもので、相手の心を動かし、状況を変えていく。そして、望む結果を出すこと。
あくまで文章のゴールは、この1点に尽きるのではないだろうか。