大学時代から本を書いていたという「小暮太一」さん。
作家やコメンテーターを務められており、説明がわかりやすいと定評があります。
小暮さんの著作としては、
「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? 」
「今までで一番やさしい経済の教科書」
などが有名です。
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今回は著作「超入門 資本論」を読んだ感想を書いていこうと思います。
この記事を読むことで、以下の理解が深まります。
- 資本主義はどのような社会なのか
- 私たちは資本主義のルールを知らない?
- お金のルールを学ぶことが必要
資本主義を知る
あらゆるものにルールが存在する
私たちの社会には、様々なルールが存在します。
それは
- 人を殺してはいけない
- ゴミを不法投棄してはならない
といった法律で定められたルール。
あるいは、
- サッカー
- バスケットボール
といった、ゲームのためのルールです。
例えばあなたがサッカーの試合をする場合、まず初めに何をするでしょうか?
おそらくゲームのルールを理解しようとするはずです。
- 1チームには最低何人が必要だろう?
- どんな時に反則を取られてしまうのだろう?
- オフサイドって何だろう?
これらのルールを知らなければ、コートで満足な試合をすることは出来ません。
ルールを知らずにコートへ立てば、いつの間にか相手に負けてしまうでしょう。
もしかすると「負けている」ことにすら気が付かないかもしれません。
そう、勝つためには「最低限のルールを知って仕組みを理解しておくこと」が必要なのです。
「資本主義」と「社会主義」の違いって?
日本は「資本主義」の社会です。
資本主義では、個人が自由に資本(=お金)を持つことが出来ます。
資金を持つ人たち(=資本家)は労働者を雇い、自由に競争しながら、お金を稼ぐことが出来るのです。
一方で「社会主義」の元では、個人が自由な資本を持つことは出来ません。
あくまで資本は国のモノであり、公共のモノである。
どれだけのモノを作るのかは、すべて国が決めてしまいます。
国民は皆、国に雇われた労働者となるため、大きな富の格差や不平等は生まれなくなるのです。
資本主義
個人が自由に資本を持てる
労働者は、資本家の下で労働を行う
メリット:競争が発生することで、社会が発展しやすい
デメリット:富の格差や不平等が生まれる
社会主義
資本はすべて国のもの
労働者は国の下で、労働を行う
メリット:富の格差や不平等が生まれない
デメリット:競争が起こらず、社会が発展しにくい
私たちはこのような資本主義の元に生きています。
「資本主義」のルール知らないまま、社会に出る私たち
ではここで質問です。
恐らくは「そんなコトを考えたことがない」方が大半でしょう。
なぜならこうしたルールは学校では教えてもらえないからです。
私たちは学校で次のように、教えられます。
- 一生懸命勉強しておくといいよ
- いい学校に行けば、良い会社に入れるよ
- 良い会社に入れば、幸せな人生が送れるよ
確かに大企業へ入社できれば、お給料はたくさんもらえるでしょう。
加えて、高い地位や名声が手に入るかもしれません。
しかしもし「良い会社」に入れなかった場合は、どうすればいいのでしょうか?
日本には1億人近くが住んでおり、大多数はそのような地位を手に入れることが出来ないでしょう。
「いい会社」に入れるのはほんの一握りに過ぎません。
大半の方は途中で脱落してしまいます。
勝者は少数、敗者は多数
それが資本主義のルールです。
学校では生きていくために必要な、
- 資本主義とはどのような社会なのか
- お金の知識(「借金の仕組み」や「お金の稼ぎ方」)
などのルールは教えてくれません。
その結果、私たちは学校を卒業すれば社会に出て、汗水垂らして一生懸命働きます。
努力すれば給料が上がって、豊かな生活が送れるんだ。
そうした考えが、頭の中にはあることだと思います。
ここで先ほどお話しした内容を思い出して欲しいのです。
ルールを理解せずに勝負をしたら、ゲームには勝てないんですよね?
もし、資本主義のルールを理解せず、社会で勝負しているとしたらどうでしょう。
いくら必死に頑張ったところで、ルールを熟知している者には勝てないことになります。
一生懸命頑張っているのに、こんなことってないじゃないですか。
私自身はこの本を読んで資本主義のルールを学びました。
それに気付いたのは、社会に出てからです。
私と同じように多くの日本人が、このような状態で社会に放り出されているのです。
それならルールを学べばいい
では一体、私たちはどうすればいいのでしょうか?
どのようなゲームが行われているかも知らされず、ただ戦いに負け続けるしかないのでしょうか?
答えは、NO!です。
その事実に気付けたのなら、いくらでも挽回できます。
そのためにまずは「お金のルール」を知る必要があります。
資本主義社会に生きる私たちにとって「お金のルール」を学ぶことは、最も大切なことなのです。
けれども、多くの方はそのようなルールがあることすら気が付いていません。
先ほど学校では教えてくれないと言いましたが、きっと先生たちも、そんなものが存在すること自体、知らないのでしょう。
ならば、自分自身で身につけていくしかありません。
さもなければ、ルールを知っているものだけが勝ち、その者に一生搾取され続けるでしょう。
本著「超入門 資本論」では、資本主義社会における「お金」や「働き方のルール」について詳しく解説されています。
例えば、
- なぜお金が出来たのか?
- 資本主義のルールとは?
- 給料の決まり方
- 今後の働き方について
などについて記載されており、読んでおいて損はありません。
あなたの感じている不安や違和感は、資本主義の構造を知るコトで、解消できるかもしれませんよ。
社会は変化している
20世紀の後半辺りから、大手企業の倒産が目立ち始めました。
「北海道拓殖銀行」や「リーマンブラザーズ」のような大手企業であっても倒産します。
「大企業にいれば一生安泰」という時代でもなさそうです。
また近年(2017年)では、シャープや東芝が巨額の赤字を抱えていることが分かっています。
「いい会社に入ること=将来の安泰」
という図式は崩壊しつつあります。
いい会社に入ればかならず終身雇用され、将来が安心である
という図式はもう存在しないのです。
価値観の迷走
社会が変化するとき、一人ひとりの価値観は迷走します。
18世紀に起きた産業革命は、人々の生活を180度変えてしまいました。
これと同様に「情報革命」、そして今後はAIによって社会は変わっていくことでしょう。
おそらくこのような転換期には、様々な情報が飛び交うことと思います。
- これからは、人口知能
- これからは、ビットコイン
- もうサラリーマンなんて古い
といったように、「あるコトないコト」が叫ばれ始めます。
どの道が正解なのかは分かりません。
歴史を紐解いたとしても時代背景が異なれば、まったく違った結果となります。
歴史から完璧な未来を読み解くコトは、不可能です。
そんな状況で今までと同じ状態(=幻想)にすがる人間もいれば、その幻想を捨て、違う道を模索する人も出てくるでしょう。
人の生き方は様々です。
しかし、私たちが生きていくためには、『お金』が必要なのは変わりません。
- 住む場所を確保する
- 空腹を満たす
- 子どもを育てる
いずれにしても、ある程度のお金は必要です。
お金は汚いものだという考えもありますが、お金は私たちの生活を豊かにしてくれる一つのツールなのだと私は思います。
最後に
多くの人は学校を卒業すれば、社会に出てお金を稼ぎます。
ですので、まずはルールを理解しましょう。
そうすることで、何もわからない大海に投げ出されることは、避けられます。
社会という大海原で生きていくための武器が、本書には記されています。
資本主義のルールを知るためには、最適な1冊だと思います。
- なぜ給料が上がらないのか
- 今後、どんな働き方をすれば豊かになれるのか
本書では、ドイツの経済学者、マルクスの知恵を借りて、その対策を行っていきます。
また、下記の本もセットで読むと、より「資本主義とは何か?」が理解できるようになるはずです。