思考の技術

読書はほどほどにしないと、世界が歪む理由

ぼくは現在までに、およそ1000冊にも渡る本を読んできました。

主に読み始めたのは大学生からなので、約10年間でそれだけの量を読破してきたことになります。

世間一般には「本を読むことはいいことだ」と語られる事が多いですよね。

例えば「文章力や知識・視野が広がる」「人の気持ちを理解できるようになる」といったメリットが取り上げられがちです。

 

本は読めば読むほどいい。

そう思ってしまう方が大半なのではないかと思います。

 

でも、果たして本当にそうなのでしょうか。

 

ぼくは今まで沢山の読書をしてきましたが、必ずしもそうは言い切れない部分があるんじゃないかと感じています。

今回はそれはなぜか?ということについてお話ししていけたらと思います。

 

読書は人を動かす

「本を読むことはいいことだ」と一般的には語られる事が多いです。

 

果たして本当にそうでしょうか?

 

僕は100%この意見に賛同することは難しいです。

 

なぜなら、本を読むことが必ずしも「いい効果」ばかりを人に与えるとは限らないからです

 

紀元前500年頃にアッシリア(現イラク)で活躍した、賢者アヒカルは、「言葉は剣よりも強し」という名言を残しました。

この言葉が示すのは、言葉には剣にも勝る影響力や力があるということなのです。

 

例えば、マルクスの書いた「資本論」という著作があります。

この本の影響力はすさまじく、全共闘といった学生運動を引き起こす原因の一つとなりました。

1冊の本の影響で、各地の大学生が授業をボイコットしたり、社会革命を起こそうと運動を行うようになったんですよ。

 

このように、文章の力は人の感情や行動を大きく変える力を持っているんです。

 

もちろん、本を読むことでプラス方向に人が動かされるなら、それはとてもいいことだと僕は思います。

けれども、一度マイナスの方向に振れてしまうと色々な問題が出てきてしまうんですね。

 

社会が歪んで見えるようになる

ぼくは、学生時代に名著と呼ばれる作品を多く手に取りました。

学生であれば教養として、世界に広く知られる著作は読んでおくべきだと考えていたからです。

芥川龍之介、夏目漱石、ドストエフスキー、ラッセル。小説から哲学書など幅広いジャンルに手を出していきました。

 

その結果、どうなったか。

 

ぼくの思考は凝り固まり、視野が広がるどころか、他人を理解出来ない井の中の蛙になっていったのです。

 

なぜこんなことになってしまったかというと、名作と呼ばれる著作は、作品の中で「人間の根源的な問題」を訴えかけてくることが多いんですね。

 

例えば「生きるとは何か」「幸福とは何か」「孤独とは何か」「死ぬとはどういうことか」といったように。

本を読むことで、必然的にこういった深いテーマについて考えるようになっていくのですよ。

これは、人に非常に強い刺激を与える、麻薬のような劇薬です。

一度一つの物事に対して考え出すと、深みにハマって抜け出せなくなっていくんですね。

 

思考の堂々巡りが続く

こういった問いに対しては、これだ!という答えはすぐには見つかりません。

問いに対する答えはそれぞれ違いますし、友人に相談しても求めている答えが得られることは稀でしょう。

なので、思考の堂々巡りになっていくんですね。

あれでもない、これでもない。

 

答えの出ない問いについて延々と考える続けていくことになるんです。

 

僕の場合、大学時代にこのような状態が長い間続きました。常に心に靄が掛かった状態。何かが喉もとに刺さって気持ち悪い。

そんな状態で学生時代の多くの時間を過ごしたのです。

 

情報を得すぎると行動出来なくなる

また、情報を得ることで新しい行動を起こすことを避けるようになります。

 

知識をつけることで、様々な状況を予測出来るようになるからです

 

例えば、好きな女の子が出来たとします。

好きならデートに誘ったり、告白をしたらいい。そう思います。

けれども、知識や情報があると「ちょっとした仕草から自分のことに興味がない。嫌われている」といった予測をして、行動を起こさなくなるんですね。

 

失敗したくないからです。

 

人はそもそも失敗を恐れる生き物です。出来ることなら失敗したくない。

そうした気持ちを誰もが持っています。

 

ただ、行動しなければ目の前の現実は変わりません。

 

先ほどの例のように、好きな人と付き合いたいのなら、デートを重ねて告白というプロセスを辿るしかないんです。

希望を叶えるためには、とにかく行動してみるしかないんですよ。

でも、知識や情報が邪魔して、失敗した時のことを予測してしまう。

その結果、どんどん行動することが怖くなり、頭の中だけで物事を完結させる頭でっかちになってしまうんですよ。

これは非常に勿体ないことです。

本来であれば付き合える可能性があるのに、行動を起こさなければ確率は0ですからね。

僕自身、大学時代は失敗を恐れて行動するのを躊躇してしまう事が多々ありました。

当時の自分に、最悪の状態ばかりを予想するんじゃなく、飛び込んでみる勇気が大切だと教えてあげたいです。

 

あとがき

今回は、読書をすることのデメリットについて書いてきました。

「読書をすることはメリットばかりですよ」。そうしたプラスの部分だけではなく、負の側面も語られるべきだと思います。

また、ぼくは基本的には「読書を沢山して欲しい」と思っています。

ただしプラスとマイナスの両方を知った上で、読書してほしいと思っています。なので今回マイナスの側面についてお話しさせてもらいました。

ではでは!