思考の技術

ウーマンラッシュアワーが『THE MANZAI』で風刺ネタを披露したのは、たった一つ国民に伝えたい事があったから。

2017年12月17日に行われた、漫才師の頂点を決める「THE MANZAI」。

大会参加者の中でも一際目立っていたのは、お笑い芸人である「ウーマンラッシュアワー」です。

今回彼らが見せた漫才は、「ゲス芸人」「Twitter炎上の人」といったマイナスイメージを覆すものでした。

 

漫才は”笑い”を提供するだけではない。”人の言えない事を言葉に出して伝える”のが漫才師である。

 

批判を恐れず、”自分の言いたい事をいう芸人がテレビの中にはまだまだいる”。この事実だけでも伝えたいです。

 

 

タブーをぶち込んだネタ

今回の大会でウーマンラッシュアワーが行った漫才。

それは原発・沖縄・震災・日米関係などの、時事ネタを詰め込んだものでした。

社会への風刺が強く、「これは漫才じゃない」「お笑いに政治を取り込むな」といった批判が出たり、「素晴らしくて涙が出た」と絶賛する人が出るなど、賛否の分かれる漫才だっだのですね。

現地の方との約束を果たすために

そもそも、なぜ全国放送される大会で”時事漫才”ネタを選択したのか。

それは、問題を抱えている現地を訪問したことがきっかけになったと言います。

沖縄公演で基地問題についての「ようこそ沖縄へ」という漫才をした際に拍手が止まらなくなった経験があります。

 

「帰ろうとしたら、音響のおっちゃんが追っかけてきて、涙をためて『ありがとう』といってくれたんですよ。

 

その人に『日本中が、関心を持てる場所で僕やりますから』と言ったんです」

参照:ウーマン村本に聞いた「THE MANZAI」ネタへの決意「自由に発言する」

 

被災地となった熊本県益城町でも、震災を題材にした漫才を披露すると

 

『忘れないで欲しい』ってみんなが言うんですよ。沖縄の人も『無視されるのが一番つらい』って」

参照:ウーマン村本に聞いた「THE MANZAI」ネタへの決意「自由に発言する」

 

本当に報道されるべきコトが無視されている現実

テレビでは芸能人の不倫や議員の暴言など、どうでもいいことばかりが報道されています。

視聴率が取れるからというのが大きな理由なのだと思います。

でもそれらは本当に大切なことなのでしょうか。

忘れられているもっと報道すべき内容はないのでしょうか。

 

原発の被害にあった福島の人たちは、今だ過去に苦しんでいます。津波に襲われ、原発に生活空間を侵食されたという現実。

仮設住宅はまだまだ残っていますし、まったく問題は解決していません。

沖縄の基地問題にしたってこれは同じこと。漫才の中では、その現実に触れ、本当にそれでいいの?と疑問を投げかけていました。

漫才内容

村本:じゃあ現在沖縄が抱えている問題は?

パラダイス:米軍基地の辺野古移設問題。

村本:あとは?

パラダイス:高江のヘリパッド問題。

村本:それらは沖縄だけの問題か?

パラダイス:いや、日本全体の問題。

村本:東京で行われるオリンピックは?

パラダイス:日本全体が盛り上がる。

村本:沖縄の基地問題は?

パラダイス:沖縄だけに押し付ける。

村本:楽しいことは?

パラダイス:日本全体のことにして。

村本:めんどくさいことは?

パラダイス:見て見ぬふりをする。

村本:在日米軍に払っている金額は?

パラダイス:9,465億円。

村本:そういった予算をなんという?

パラダイス:思いやり予算。

村本:アメリカに思いやりを持つ前に?

パラダイス:沖縄に思いやりを持てー

村本:ようこそ沖縄へー

全国放送でやる漫才としては、非常に刺激的な内容になっています。

他には、日本はアメリカの軍備(戦闘機など)を買ってくれる都合のいい国であると、バッサリ切り捨てました。

 

笑っている国民に喝!!

漫才の中では、次々と時事問題が切られていくのですが、本当に問題なのは「国民の意識の低さ」だというのが、彼らの主張なんですね。

ネタの最後。村本さんは最後にテレビ画面を指さし、「お前たちのことだ!」と視聴者に捨て台詞を吐いて舞台へと去っていきました。

漫才を見て笑っている観客。

彼らは、ネタとして取り上げられる時事を他人事として見ている。

他人事だと思っているからこそ手を叩いて笑っていられるわけです。

でも、そこで取り上げられている問題は、僕たち自身のモノなんですよね。熊本や福島の地震、沖縄の基地問題も”日本”という僕たちの国で起こっている事実に他ならないからです。

最後に

最近のテレビを見ていると、有識者は”波風の立たないコメント”を残し、重要な問題から視聴者の意識を逸らそうとしていると感じます。

パンチのあるコメントを残せない、”大人の事情”もきっとあるのでしょう。

 

分の意見があるにも関わらず、周囲に合わせて発言を捻じ曲げる。

不祥事を起しても、しばらく放っておけば国民は忘れる。

そんな風に考えていることが、節々から伝わってきます。

そんな状況の中でも、村本さんは自分の意志を貫き自分の言いたい事を発言する訳なんですね。

 

「正解だとか間違っているとか、ど~でもいいんです。僕はいつも自由に発言する。

 

テレビがなくなっても、ラジオもネットもなくなっても、口と頭はあるわけですよ。誰にも制限されることはないですからね。

 

言いたいことを言うだけですよ。それを伝えるのがエンターテインメントですよね」

 

“自分の立場を捨ててダメなものにはダメと言える”芸人がテレビにいることに勇気づけられます。

それでは今日はこんな感じで。

グッドラック!