資本論

第2回 「商品」を分析することからすべては始まった

それではいよいよ、『資本論』の中身に入っていきたいと思います。

まず、この本でマルクスが伝えたかったのは一体どんな内容なのでしょうか。

大まかに彼の伝えたかった事を説明すると、次のように要約することが出来ます。

 

人間の労働があらゆる富の源泉であり、資本家は、労働力を買い入れて労働者を働かせ、新たな価値が付加された商品を販売することによって利益を上げ、資本を拡大する。

 

資本家の激しい競争により無秩序な生産は恐慌を引き起こし、労働者は生活が困窮する。

 

労働者は大工場で働くことにより、他人との団結の仕方を学び、組織的な行動が出来るようになり、やがて革命を起こして資本主義を転覆させる。

参照:池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」

 

さらに短くまとめると、資本家は労働者を働かせて利益を得る。けれどもあまりに過剰に労働者を働かせると、不満を招き、最終的には革命によって資本家は倒されてしまうということなんです。

 

マルクスがこの本で書きたかった内容は、こうした社会の流れを分析し解説することで、資本主義の仕組みを明らかにすることだったのですね。

 

商品の分析から始まる

『資本論』の初めは次のような言葉から始まります。

 

[memo title=”冒頭文”]資本主義的生産を行う社会では、その富は、商品の巨大な蓄積のようなものとして現われる。その最小単位は一商品ということになる。

 

従って、我々の資本主義的生産様式の考察は、一商品の分析を以て始めねばならぬ。[/memo]

 

これは簡単に言うと、資本主義社会というのは「すべてのものが商品」になっている社会だということを言っているんですね。

 

私たちの身の回りには、沢山の商品が存在しています。商品には値段がついており、お金を出せば買うことが出来ます。

マルクスは、世の中に存在しているものは、すべて商品ではないかと考えたのです。そして、その商品を分析すると、資本主義が明らかになると思ったのですね。

例えば、僕たちの住んでいる家には様々な素材が使われています。屋根には瓦が使われ、骨組みにはコンクリート、柱には木材が使われている家も多いでしょう。

家というのはこれらを組み合わせる事で出来ているんですね。家を作るためには、それぞれの材料を理解して組み合わせる必要があるのです。

 

これと同じで資本主義社会も、構成されている個々の商品を分析することで、全体が見えてくるのですね。

 

資本は商品が集まって出来たもの

それでは、一つ一つを分解してみていきましょう。

まず資本主義的生産を行う社会というのは、資本主義経済の事です。資本家が人を雇い、商品を売買し、富を蓄積する。日本も資本主義社会なので、日本社会のことを言っていると考えてください。

 

そしてその富は、商品の巨大な蓄積のようなものとして現われる。これは、社会に存在しているものはすべて商品になっており、その商品の寄せ集めが富の集合体なのだということです。なので、まずは商品の個々の分析から始めましょうと。

 

そういう文章があって、次のように内容は続きます。

 

つまりその商品というのは、何らかの人間の欲望を満たすものだ」と言っています。

 

商品というのは私たちの欲望を満たすもの。食べ物は当たり前だよね。飢えを癒してくれる。あるいはおいしいものを食べたいという欲望を満たしてくれる。

 

だから食べ物を買う時には当然お金を出して買わなければいけない。食べ物にはみんな値段がついています。

 

でも、その人間の欲望というのは胃から出てこようと、幻想から出てこようと、どちらであろうと欲望を満たすものであることに変わりがないよう、という言い方をしています。

 

これはどういうことかというと、食べ物を食べたいという胃から出てきた欲望もあるし、スポーツを楽しみたいなという欲望もあるということです。

例えば、スポーツは商品です。一見形がないので商品には思えないかもしれないですが、僕たちの「楽しみたい」という欲望を満たすものですよね。そうした欲望を満たすものも商品だと言っているんです。

 

結局、商品がどうやって私たちの欲望を満たすのかは関係ありません。人間の欲望を満たすもの。それが商品だということであり、それを分析することが、この「商品」という意味なのです。

 

そして、

 

大昔はみんな共同体で助け合って生きていた。そのころにはまだ商品というのは生まれていなかった。

 

それがやがて他の共同体と物を交換するようになって、物々交換をし、いろんなものを交換していくうちに初めて商品というのは発生するわけだよね。

 

つまり社会が次第に発展するに従って商品というのは生まれてきた。つまり私たちの時代は、すべてに値段がついてしまった、商品になってしまった、そういう時代なんだよ、ということです。

 

大昔、貨幣というものは存在していませんでした。

そのため、人々はお金で物を交換するのではなく、「魚と肉」「野菜と米」といったように物と物同士を交換していました。

しかし、それでは不便だということで、貨幣ができて、物は商品となりました。そして現代のようにすべての物には値段がついて、商品になってしまったということなのですね。

 

最後に

今回は、まず冒頭文である「商品」の分析について説明させてもらいました。世の中にある商品はすべて商品である。

そして、その商品を分析すれば、資本主義がどんなものなのかが分かるということでしたよね。

次回は商品の「価値」について考えていきたいと思います。

それでは今日はこんな感じで。

グッドラック!