以下の記事が共感できる内容だったので、忘れないために書き残しておきたいと思います。
参照:日本企業から属人化したノウハウが散逸、AIより業務の標準化が先だ
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“属人化”することで他者との差別化を図る
「使い捨てにならないためには替えの効かない人材」を目指す必要があると、色々な所で言われているのを耳にします。
この記事でも記載されている通り、仕事を属人化することで、「自分にしか出来ない仕事」を作り、他者との差別化を図ることができます。
確かに「自分にしか出来ない仕事」を作ることが出来れば、「この仕事は○○さんにしかできないからお願い」と頼られるようになりますし、悪い気はしないはずです。周囲から承認を得ることもでき、組織の中での優位性も確立することが出来るでしょう。
個人・組織のどちらにとっても”不健全”
ただし、この状態というのは組織として見ると非常に危険です。仮に仕事を属人化している人員がいなくなってしまった際には、誰も代わりに仕事を出来る人がいなくなってしまうからです。
また個人で出来る仕事の限界は限られますし、ある一定の規模までしか企業も成長することが出来なくなってしまいます。それに、仕事を抱え込んだ本人にとっても、「自分にしか出来ない仕事」ばかりでは、周囲に仕事を渡すことが出来ません。
その結果、業務の集中や長時間労働を招き、心身の健康を害するリスクを背負うことにもなるのです。短期的に見れば好ましい状況だとしても、長期的なスパンで考えると個人・組織、どちらにとっても健全な状態とは言えないのですね。
“あなたにしか出来ない仕事”で自分の価値を上げる
とはいっても、問題は簡単に解決できるようなものではありません。モノの値段というのは、需要と供給で決定します。
欲しい人が多くなれば値段は上がり、少なくなれば値段は下がる。
これは労働市場でも同じであって、自分の値段を上げたければ多くの人に欲しいと思ってもらわなければなりません。そのためには、個人の価値を上げる必要があり、「あなたにしか出来ない仕事」の価値は高くなるのですね。
そんな状況ですので、「あなたにしかできない仕事」を「誰にでも出来る仕事」に変えることは、自らの立場を危険にさらすことにも繋がります。そう簡単に出来ることではないのですよ。
“標準化”する仕事は評価されるべき
本来、仕事を「誰にでも出来る仕事」に変えることは、評価されるべきだと思います。組織としては、仕事を標準化することで、ノウハウを社内に蓄積させていくことが可能となるからです。
しかし、実際には、「仕事を標準化」する作業というのは、あまり重要視されていないのではないかと感じます。
僕がいる職場でも、ノウハウの多くは個人の頭の中で納まっていて、周囲との情報共有がなされていない部分が多いです。書面に書き残したり、後輩に伝えられることもなく、その知識は個人の中だけで完結してしまっています。
ただ、これは当然の事なんですよね。正直、「仕事を標準化」する作業というのは、とても面倒な作業です。自分では簡単に出来る仕事でも相手に教えると難しくなるように、簡単に出来る作業をマニュアル化することも、とても難しく大変なことなのです。
もし、そうした仕事を評価する上司がいれば話は変わってくる可能性もあります。しかし、実際には仕事を標準化したところで、大したことがないように扱われることもありますし、給料が上がることもありません。
そんな状態ですので、上司や会社自身が「マニュアル化」の必要性を意識していないと、問題が解決することは決してないでしょう。もっと、会社はこの問題について深刻に考える必要があるのではないかと、僕は思います。
最後に
近年、多くの中小企業は「後継ぎがいない」といった問題を抱えています。
この原因の一つとして、ノウハウを持った技術者が引退していき、後に残された人たちには技術が引き継がれないことが挙げられます。
これも、先ほどからお話ししている業務を「標準化」することを怠ったつけが回ってきているのかもしれませんね。
将来の事を考えて、今必要なことは何なのか。会社として考えることが、今後この問題を解決していく一つの鍵になってくるはずです。
それでは今日はこんな感じで。
グッドラック!