世の中には数多くの商売が存在しています。
飲食店・スーパーマーケットといった、業務形態がわかり易いものから、IT業界のようにどのようにして利益を上げているのか見えにくいものものまで、種類は様々です。
しかし、どちらも社会に存在し、事業が継続している以上、利益を上げて経営を行っているはずです。
利益を確保出来なければ倒産するしかないですからね。
今回は数ある仕事の中から、利益の出し方がわかりにくい3つの仕事に焦点を当てていきます。
果たしてどのようにして商売を営んでいるのでしょうか。
それではどうぞ。
Contents
1.アウトレットモール
激安価格を売りにしているアウトレットモール。
他店に比べ信じられないような激安価格で沢山の商品が陳列されています。
みなさんも一度は、
「なぜあんな値段で利益が出るのだろう?」
そんな風な疑問を持った事はありませんか。実はこんなカラクリがあったのです。
ブランド品は高くても売れる
アウトレットモールの目玉商品といえば、ルイヴィトン・グッチといった高級ブランド商品です。
基本的にこういったブランド品は安売りされることがありません。
なぜなら、わざわざ値下げをしなくても、根強いファンがついているため、高い値段でも消費者は購入してくれるからです。
値段の下がらないものが安く買えるお得感
しかし、どんなに売れるものであっても、多少の在庫はどうしても出てしまいます。
そんな時の最終手段がアウトレットモールなのです。
従来の価格から3~7割程度の値引きをすることで多くのお客を引き寄せることが出来ます。
多少不便な場所にアウトレットモールがあったとしても、安い値段を前にすれば、大半の人は値段の安い場所に流れていくことでしょう。
ブランド品の値段の大半は広告費
でもそんなに値段を下げたら原価を割るのではないかと思いませんでしたか。
実はそんな心配はいらないのですよ。
ブランド品の値段の割合の多くは原材料や人件費が占めているわけではありません。
広告宣伝費や会社のブランド費が大半を占めているのです。
なので大幅な値下げが可能ですし、在庫処分してしまうより、安い値段でも売り切ることが出来る方が会社にとってはありがたいのです。
“せっかく来たのだから”という気持ちを作りだす
また、お店に来た人たちは、「せっかく来たのだからこの機会に買って帰ろう」、と大量の物を買う人が多いです。
なぜなら、アウトレットモールの多くは郊外にあるため、遠くから車や公共交通機関を使って足を運ぶ人が多いです。
「わざわざ遠くから来たのだから」、という消費者心理も追加されるのでより商品が売れるようになるのです。
在庫の処分が出来るのに加え、消費者に沢山のものを買ってもらう心理状態にする。とても理にかなった商売形態と言えますよね。
2.LCC(格安航空会社)
格安航空会社はLCC(ローコストキャリア)と呼ばれ、有名所としては、ピーチ(Peach)・バニラエア(Vanila Air)・スカイマーク(SKYMARK)といった会社を挙げることが出来ます。
これらの航空会社を使えば、一般的な旅客機に乗る半分程度のコストでフライトすることが出来るものもあります。
なぜこんな格安で空の旅を提供できるのでしょう。
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徹底したコスト削減
航空会社は値段を格安にするために、以下のような事柄を見直しているようです。
機材を、燃費がよく、収容力が高く短・中距離向きで(LCCは座席が狭く4時間以上の飛行だと疲れる)、中央通路一本で乗降時間が短くてすむA320かB737の新造機に統一する
機材や燃料費を見直すことで、安い単価で長時間のフライトを可能にしたのですね。
人件費の削減
ANAやJALといった大手航空会社のパイロットの年収が2000万円程度であるのに対し、LCCのパイロットの年収はその半分程度が相場だとされています。
また、CA(キャビンアテンダント)を契約社員にして、業務内容を清掃なども行う、マルチタスクにすることで人員の数を減らしコストを抑えています。
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webの力を活用する
現在では、インターネットで予約できるお店が沢山あります。
LCCもその力を活用している企業の一つです。
ネット予約をメインに行うことによって、今まで電話予約で必要だった人員を削減することが出来るのです。
また、web予約に切り替えることで、急なキャンセルや予約の変更にも対応しやすくなります。
コストだけでなく、業務効率の改善にも繋がっているのです。
3.100円ショップ
100円ショップといえば、ダイソーやseriaが有名ですよね。
化粧品・家事用品、そしてネクタイベルトなどのビジネス用品まで、大抵のものが揃っています。
お財布にもやさしく、現在では品質もそこそこよくなっています。
でもどうしてあんなに安くで商品を提供できるのか。
赤字覚悟の値付け
実は、お店側は100円では赤字になってしまう商品も同時に販売しています。
しかし、利益になる商品と組み合わせることにより、結果として黒字になるような仕組みで販売しているのです。
これは例えばコンビニにおける、「おにぎり」と同じです。
先日テレビ番組で放送されていましたが、セブンイレブンのおにぎりの中で、「鮭おにぎり」は特段原価が高いそうです。
ですので、お客さんに鮭ばかりを買われては困ってしまうそうです。
けれども、昆布や梅、シーチキンという豊富な品揃えにすることで、消費者が他の商品にも目が向くように仕向けているのですよ。
利益の出る商品と出ない商品をごちゃ混ぜにするマージンミックス戦略を採用しているのですね。
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あとがき
以上3つの事例を元に、格安店の謎について解明してきました。
それぞれが独特の方法で利益を得ていることがお分かりいただけたのではないかと思います。
きっと次回お店に足を運んだ時は、少し違った視点からお店のことを見れるようになっているかもしれませんよ。