今回も田原総一朗さんと若手起業による対談本『起業のリアル』という書籍をご紹介。
第1回:LINEに込められた想いは”水のようなサービス” 当たり前のインフラになるために
第2回:21世紀に中間管理職は必要ない? マネジメント能力のいらない組織
今日はこの書籍の中から、田原総一朗さんと村上太一さん(リブセンス社長)との対談を取り上げてみたいと思います。
1986年生まれのリブセンス社長、村上太一さん。2011年には東証マザーズ、2012年には東証一部上場といったような偉業を、史上最年少で成し遂げました。
一体どんなカラクリで会社をこれほどまで急激に成長させることが出来たのでしょうか。
リブセンスのビジネスモデルは、世の中の隙間を突くことの重要性を痛感させてくれるものでした。
“当たり前”を疑うことが大切
田原:なぜアルバイトの求人情報サイトだったんですか。
村上:不便や問題を解決するのがビジネスの基本です。身のまわりで不便や問題がないかと見続けていたらアルバイト探しの不便さに気づきました。
田原:バイトする必要があったの?
村上:してましたよ。でも、町中にはバイト募集の張り紙がたくさん貼ってあるのに、ネットで検索すると見当たらない。結局、隣町まで自転車でいったりして、これは不便だなと。
田原:村上さんが高校生のときは、もうインターネットが普及していた?
村上:はい。にもかかわらずネット上で求人が見つかりにくいのは、募集広告の費用のせいでした。相場は1枠10万円。これを解決する方法はないかと考えたとき、掲載費無料というビジネスモデルを思いつきました。
従来、求人広告は掲載するだけで費用が発生するというのが当たり前でした。
そのため、お金を沢山もっている企業しか、広告でアピールすることが出来なかったのですね。
しかし、リブセンスは逆の発想で「求人は無料」「実際に誰かが企業に雇用された場合にのみ費用が発生する」、という新しいビジネスモデルを生み出しました。そして現在では、この「成功報酬型」というのは、多くの企業にとって”当たり前”のモデルとして浸透しているのです。
問題は至る所に存在している
この事例が教えてくれることは、意外と「こうした方が便利なのに」と思われることが身近にたくさん転がっているのではないかということです。
村上さんも言っている通り、ビジネスの基本は「問題や不便」を解決することにあります。少し視点を変えるだけで、新しい考えや発想が生まれることもあるんですね。
今まで当たり前だと思い疑問に思わなかった事でも、もっと違った手段があるのかもしれないのですよ。
リブセンスの打ち出した、「成功報酬型」の仕組みはまさに、「不便」を解消したものに他なりません。
小規模で資金を潤沢に持っていない企業でも広告への掲載が可能になりましたし、仕事を求めている労働者は、従来より多くの企業から自分に適した就業場所を選択出来るようになりました。
このようにリブセンスは、「みんなの困った事柄」を解決することで、成長してきたのですね。
もしかしたら、皆さんもちょっとした気付きを得ることが出来れば、リブセンスのようなブルーオーシャンを発見出来るかもしれません。
“当たり前”だと思われていることに対して、疑問を持つこと。今回の対談で一番重要だと感じたのはその部分でした。
最後に
二人の対談を通して感じたことは、”既存の概念を打ち破る”ことの大切さでした。
“当たり前”と思ってしまうと、そこに進歩や革新が生まれることはないでしょう。「もっと違う方法があるのではないか」「この方が上手くいくのでは?」。
そうした意識を持つことで、物事はよりよく発展していく。自分にはまだまだ、この部分が足りなかったなと読みながら反省しました。
気になる方はぜひ手にとってみてください。
それでは今日はこんな感じで。
グッドラック!