仕事観

“葉っぱ”が人を幸せにする、福祉ビジネス

商売といえば、商品を安く買って高く売る。

そしてその差益で儲けるのが基本です。

ビジネスを志す方であれば、利益を最大化できるような効率のよいビジネスモデルを追い求めることと思います。

徳島県上勝町では、仕入れはゼロ。それにも関わらず、全国的に需要があり、儲けがでる商品を発見しました。

 

その商品とは、町のいたる所にある”葉っぱ”を使った、”木の葉ビジネス”です。

 

この葉っぱの存在が、過疎化と高齢化が進む町を救う原動力となっていったのです。

 

現代の日本では、高齢者が大半を占める過疎の町が多く存在します。

そんな状況ですので、町に活気はなく、仕事もなく夢もない。

その結果、若者は地方を離れ、さらに過疎化が進んでいく、負の連鎖が繰り返されています

 

しかし、上勝町はそんな町に希望を与えてくれます。

地方から全国、そして世界へと羽ばたいていけるロールモデルとして、先陣を切ってくれたのです。

今後さらに注目されて欲しい。

そんな期待をこめて、今回はこの希望のビジネスをご紹介したいと思います。

 

ただの葉っぱを”つまもの”に変えた

現在、「株式会社いろどり」の社長を務めている、横石氏によってこの”木の葉ビジネス“は生まれました。

当時、農協職員だった横石さんは、地域にある葉っぱや花を、日本料理の彩りとして添えられる”つまもの”として活用出来ないかと考えました。

そして、1986年にスタートしたこの木の葉ビジネス。

現在では日本全国につまものとして出荷され、日本料理を美しく彩っているのです。

 

“本当の福祉”を実現したい

横石さんは、木の葉ビジネスを立ち上げるにあたって、実現したいことがあったのだそうです。

 

それは、高齢者が仕事を行うことによって”生きがい”を持ち、介護や教育といった問題を解決していく”本当の福祉”を実現するという目標です。

 

高齢者問題は、「病気による介護」・「地域社会からの孤立」といった内容のものがよく取り上げられますよね。

この問題を解決するために、ボランティア活動で地域の輪を広げたり、介護施設を増設したり、といった対策が採られますがそれでは不十分。

 

根本的な問題を解決するためには、”生きがい”を持てる仕事を作ることが必要なのです

 

仕事を”生きがい”にすればリスクは回避できる

実際に、人生の目的を持つ人は死亡のリスクが低く、病気になりにくいというデータもあります。

加えて、仕事を媒介として、人と人が交流することで孤立も避けることが出来るでしょう

参照:人生の目的意識をもつ人は死亡リスクや心血管疾患リスクが低い

 

その証拠に上勝町では、80歳を超えたおばあちゃんでも生き生きと元気に働いています。

 

それは、きっと生きがいを持って、仕事に取り組んでいるからではないでしょうか。

参照:年収500万超 おばあちゃん達の出番がある町 1枚のもみじから高齢化問題を解決

 

高齢者や若い女性が活躍の場を!

また、このビジネスの大きな功績は、地域社会に多くの雇用を生み出したことにあります。

例えば、建築現場や倉庫・工場といった肉体労働の場合、力や体力がなければ継続して働くことが難しいです。

けれども、木の葉や花を拾って、つまものに変えるビジネスモデルは、大きな力を必要としません。

 

そのため高齢者や女性が活躍することが可能なのです。

 

収入も十分で、中には年収が1000万円というおばあちゃんもいるそうですよ。

 

地域に活力が戻ってきた

葉っぱの出荷農家は190世帯あり、主力は平均70歳のおばあちゃんたちです。

「株式会社いろどり」に商品を出荷して生計を立てているわけですが、おばあちゃんたちはみんな携帯電話やパソコンといった電子機器を使いこなせるようです。

なぜかというと、いろどりからの企業情報のチェックや出荷量の計算などを行うために必要なのだとか。

若者であっても、機器を使いこなせない人がいる中、歳をとっても現代のツールについていけるのは気持ちが若い証拠ですよね。見習いたいです。

 

地域にもっと雇用を作ろう

今回述べてきたように、仕事に”生きがい”を持つことが出来れば、病気や孤立というリスクを回避することが出来ます

そのためには、地域に雇用を創出し、高齢者と若者が共に共存していける場が必要なのではないかと感じました。

 

現代では、インターネットも発達し、地方と都市の格差も縮小してきています。

 

また、地方分権の名の下、地方への権限移譲も進んでいます。ただ、ビジネスを生み出すのはそう簡単なことではありません。

ですが、今後の未来のためにも新たなビジネスによって雇用が生まれ、人々が生き生きと働ける社会になっていけばいいですね